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HIGASHIO PRESS
2月13日(水) 東尾修の「ひとりごと」

宮古島、久米島では僅かな合間をぬって、それぞれオリックスと楽天を見てきた。まぁ、天候の悪さもあって、目に留まる程のことはあんまりなかったし、仲間がたくさ集まっていたんで、更新はせずに、夜の野球談義に花を咲かせることを優先させてもらったんだ。ところが、今日、南郷に西武を見に行ったら、来ていたファンの子に「楽しみにしているんで更新してください」って声をかけられてしまってね。こりゃまずいと思って、更新させてもらうことにしたよ(苦笑)

といっても、今日の西武は明日が休みというで練習がいつもより軽めでね。投内連係に重点を置き70分くらいやるって聞いて、メイン球場を離れサブグラウンドにある投手陣のプレハブに行ったんだけど、シオ(潮崎コーチ)やオツ(西口)、石井一が炭を囲んでたたずんでたんで、そこで1時間近く話をした。さらにその直後、今度は大魔神(佐々木主浩)や権藤さんが取材でブルペンの方に来たんで、延々と“投手論”について語り合って一日が過ぎてしまった感じだったんだ。

しかし、何もせずに日を過ごした訳では決してないよ。既に西武を訪れていた他の解説の人間から、今年の小野寺の状態はあまりよくないって聞いていたんで、そのあたりを“情報収集”しようって気持ちがあってね。ストッパーを作る難しさを知っているだけに、肝心要のストッパーの状態が悪いっていうのは相当な不安材料だって思いがあったんだ。

過去、森慎二や小野寺といった選手は、オレ自身がスカウト陣に「いいストッパーを探してくれ」と申し出て、見つけてもらった戦力だった。もちろん、こちらの理想をいくらいっても、スカウトがこれだ!という素材を見つけてきても、実際、獲得できるかどうかっていう問題はある訳だから、そうそう簡単にストッパーを作れないというのは理解してもらえるだろう。では、今いるメンバーのなかから素材を見極め、ストッパー候補を選び、一から作れるかといったら、それもかなり難しい話。

ストッパーの条件としてあてはまる、熱いハートをもち、尚かつ冷静さを持ち合わせた選手、さらに計り知れない精神的負担に耐えられる選手なんて、言葉であれこれいって指導したところで教育できるものではないからね。ましてや、監督・コーチの言葉、励まし、慰め、癒し、ファンからの声援、それらすべてを受け止め、皆の気持ちと共にブルペンを出ても、マウンドの土を踏んだ瞬間すべて吹き飛び、最終的には己の気持ちしか残らない。さらに自分自身の強い気持ちがあっても、たった一球で崩れ得る。それだけシビアな世界がストッパーにはあるんだ。

昔に比べ、ストッパーの評価が高くなっているとはいえ、精神的な部分でのプレッシャーは凄い。上手くはまれば、これ以上ない快感を得られるのは間違いないけれど、その一方で、それだけの期待を受けるストッパーには誰もなろうとはしない。そんななか、それを求められる今の小野寺の状態はきっとストッパーとして完璧な姿を求めすぎて神経質になりすぎているのかも知れない。このコースしか投げてはいけない、という強い思いから、そこを少しでもズレると精神面にブレが出る。精神面にブレが出れば、投球の始動にもブレが出る。始動がブレればすべて崩れる。


あれだけ気持ちの強いトヨ(巨人・豊田清)だって、あれだけの声援に後押しされ、強気でマウンドに登ってもたった一球を打たれサヨナラ打を浴びただけで、1点差の場面で登板することに怖さを覚えるようになってしまったくらいだからね。

長い時間かけて積み重ねてきた自信も、ほんの一瞬にして崩れる。きっとプロ野球の世界だけではなく、どこでも同じだと思うけれど、これが一番の難点だよ。一度崩れてしまうと、それを回復するには倍の時間がかかるしね。場合によっては完全に回復 できない時もある。そこをどう乗り越えるか、トヨの場合は皆もよく知ってるマウンドでの儀式っていうのかな、自分の胸を何度もたたく仕草で気持ちを強く持つ意識を高めて臨むようにして、以前は弱かったハートを強くする術を得た。きっと、小野寺も心にゆとりを持つこと“冷静さ”を身につけたうえで、熱い気持ち、向かっていく気持ちを全面に出せるようになったら、思うような結果が残せるようになるんじゃないかな。

今日は本人とじっくり話せなかったんで、休み明けもう一度顔を出す際に機会があれば、どういう思いか聞いてみたいね。さぁて、明日はオレ自身も久々の休日だよ。7日からずっと出っ放しで、なかなか落ち着くことができなかったんでね。のんびりゴルフして、リラックスした一日を過ごすとするよ。



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