| 7月2日(月) 東尾修の「ひとりごと」 |
11日のカズオ(松井稼頭央)とダイスケ(松坂大輔)との食事の席では一切野球話をしなかったけれど、翌12日の早い時間にダイスケがブルペンに入るっていうんで早めに球場に行ったんだ。早く行ったことでメディアや関係者も殆どいなかったんで、ブルペンの中まで入らせてもらったが、コーチがずっと見ていたからその場では何も言わなかったよ。とはいえ、オレがあいつに言ったのは、単なるオレの感想であって技術指導とかそういう内容じゃない。「気持ちを前に出せ!」、「マウンドでいろいろ考えすぎるな」、このふたつだけなんだよ。ヒジをああして、足をこうして…ではなく、闘争心と集中力を持つことが今のあいつに一番必要なこと。これはダイスケが西武に入団して2年目、3年目に言ったことで、その頃のことをあいつも思い出していたようだよ。
夢見たプロの世界に飛び込みむかえたイチローとの対決。あの頃チーム優先ではなく、自分の欲求を満たすことばかりに意識が行ってしまい力むことが多々あったのを皆さんもよく覚えているだろう。今のダイスケはまさにその時と同じなんだ。対戦を心待ちにしていた相手を目の前にし、一選手との勝負に勝つことに気持ちが行っている。チームのために時には勝負を避けて通らなくてはいけないケースだってある、なんてことは頭のいいダイスケはもう十分わかっているはずなんだ。だからこそ、ボストン行きが決まった時あいつに、「今度はスピードを追い求めろ!160キロ目指すくらいの気持ちでいけ!」って言ったんだ。入団当初はスピードを求めることはあいつにとってマイナスだったけれど、今度は違う。マウンドでいろいろ考えすぎるのではなく、気持ちで押し切るためのスピード。そういう意味を込めてスピードに拘れって言ったつもりだったんだが、ダイスケには伝わりきらなかったようだ。
オレの指摘に対してダイスケ自身も既に違和感を覚えていたというか、感じるものがあったらしく、昔のことを含め話したことで気持ちが整理できたようだった。それだけでオレも渡米した甲斐があったなって思ったよ。
そうそう、ダイスケの登板を球場の前から3列目位で見させてもらったんだけど、ちょうどダイスケの視界に入る位置でね。状況によってはファンが全員総立ちになったりするんで、見づらいオレが右に左に頭を出して間から一生懸命見ようとしている様子をダイスケはマウンドから全部見ていたらしい(笑)。ただ笑ったのが満塁のピンチで投げた球がその日一番の投球で、思わず満足気に拍手を送ったんだけど判定はボー ルでね。他のファンは「何で拍手してるんだ??」って顔をして見ていたんだよ(笑)。まあ、あいつもその球が最高だ!って思ったらしく、オレの仕草を見て納得しているのが分かったんだけど、オレとダイスケだけが満足してるっていう状況に思わず大笑いしてしまったよ。
ダイスケやカズオとのやりとりは「おうちにおいでよ」(文化放送/朝日放送)で聞くことが出来るんで7月2日(月)の放送を楽しみにしてもらいたいな。-4/4-


