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2月5日(月) 東尾修の「ひとりごと」

昨日、高松から沖縄に入って、今日さっそく楽天に田中将大君を見に行ってきたよ。どうしても高卒プロ入りってことでダイスケ(松坂大輔)と比べられるから、そういう視点で見たけれど、やはりダイスケの方が数段上だね。とはいっても、あくまでもダイスケのレベルが秀でて凄かったというだけで、彼ががよくないって訳ではないことを理解してもらいたい。彼のレベルは高卒としては上出来以上の評価を与えていいくらいだと、今日見て思ったからね。だからこそ、余計に入団当初のダイスケのレベルがいかに高かったかをあらためて痛感させられた感じだったかな。

昨日ブルペンで100球以上投げ込んだってことで、着くや否や「今日はブルペンで投げる予定はない」って言われてね。大魔神(佐々木主浩)と一緒にどうしたものかと話していたら、ノムさん(楽天・野村監督)が来て、“サービス”で30球ほど立ち投げをしてくれることになったんだ。取材として行っていたテレビ朝日もその映像が撮れて大喜びしていたよ。

ブルペンに向かう前、コーチの杉山賢人(元西武投手)に話を聞いたところ、田中君はとても向上心があり、練習でもマウンドでも遊ぶのが好きだとういうことだった。後から本人と話をしたとき、昨日は大勢の人が見に来ていたため「いいところを見せなきゃ!」と力み過ぎてバランスを崩し、横振りになってしまったと言い、だから今日はそれを修正して投げ、いい投球練習ができたということだったんだ。そのコメントには流石一流の選手だなって感心させられたよ。ダイスケ同様、幼少の頃からいろいろな人のいい話をたくさん聞いて、知恵をつけて育ってきたのだろう。今の時点で自分自身のことを理解し、客観的に見て判断できるっていうのは本当に素晴らしいよ。球種にしても、ダイスケが真っ直ぐ、スライダー、カーブで入って来たところを彼はそれに加えフォーク、チェンジアップとプロ並みに一通り投げられる状態で入ってきているしね。バッティングカウントを意識してみたり、状況に応じての修正、右足から左足への体重移動、フォーム…どれをとって見ても、センスのよさが感じられるよ。

後はダイスケのような幹の強さが必要となってくるわけだけれど、やはり今の段階では背筋と下半身にまだ弱さがあるみたいでね。昔、オレが杉山に背筋・下半身強化のメニューを徹底してやらせたことを皮肉って、「大事ですから、しっかりやらせるつもりです!!」と杉山が言っていたよ(笑)。今の子はウエイトやサプリメントで体を作ることを知っているし、実際、彼の腕や体つきはしっかりウエイトをしてきたのが分かるくらいに出来上がっていたけれど、投げることでつく筋肉、右肩の肩甲骨から腰まわりにかけての筋肉はウエイトでは絶対につかないからね。その辺りも頭に入れて、体作りをしてもらいたいね。

通常練習では一生懸命低めに安定して放る練習をするけれど、今の彼の状態を考えるとまだその時期は早い気がする。手だけでコントロールして低めに投げるようなことをしてもまったく身にならない。体と柔軟性をうまく利用して投げられるようになるまでは、そこだけを敢えて意識して投げ込む必要はないと思うよ。今後、マウンドさばきやバッターを立てた時の状況などを見つつ、判断して行くべきだろうね。1年目の起用法についても同じことが言えるんじゃないかな。1年目から勝つ投手となるのか、1年目はじっくりと育てていくのか…。オレならどうする?と言われても、こればかりは傍でずっと見て判断するしかないからね。ただ言えるのは、どんなかたちであれ数年後には第一線で活躍するようなピッチャーになってもらいたいってことかな。

田中君のスライダー、といっても完璧なスライダーではなく小さなカーブって感じのものと、カーブはブレーキがとても利いていて有効的だ。あとは高めのストレートで空振りをとれるか、もしくはバックネットに飛ぶファールにさせるかできれば最高だろうね。彼の場合は150kmをバンバン投げるタイプというよりは、体感速度が速く感じられるタイプだし、そうなると200勝も簡単に狙えるようなピッチャーになる気がするよ。2月の後半に再び見る機会があると思うけれど、一番成長するこの時期だけに約1ヶ月後にどこまでの成長を見せてくれるか本当に楽しみだよ。

彼の隣で投げていた岩隈(久志)も久々に見たけれど、違和感や後遺症もなく投げていたし、万全な状態での復帰もそう遠くはないように思えただけに、楽天のピッチャー陣は一場(靖弘)も含めてかなり面白い気がするよ。これがきっかけになってパ・リーグの人気につながってくれれば言うことないね。さて、明日は再び(?)キミヤス(横浜ベイスターズ・工藤公康投手)のところに行って来るよ。最近、頻繁に顔を合わせているような気がしてならないのは気のせいかな。


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