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5月26日(金)の試合を振り返って...
西武 対 阪神 (インボイス)

TEAM 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 R
阪 神 0 0 0 0 0 0 0 0 0 - - - 0
西 武 0 0 1 1 1 0 0 0 X - - - 3
■投手リレー 阪神:福原→太陽
西武:松坂
■勝ち投手 松坂 7勝1負0S
■セーブ -
■負け投手 福原 0勝1負0S
■ホームラン 阪神: -
西武:中村4号

松坂が阪神打線を先発全員から14奪三振の3安打に封じ、リーグトップの7勝目を挙げた。

5月26日(金) 東尾修の「ひとりごと」

エース松坂大輔がついに完成した。入団当時から最終目標としていたピッチングがまさに完成した瞬間。怪物といわれ入団し8年たった今年、見事なまでの成長振りを見せてくれたよ。入団して2,3年はもともと持っていた類稀なる能力で勝つことができた。しかし、年を重ねる毎にそれだけでは勝つことができず、味方が点をとったら取られ、1点許すとバタバタと崩れ、と苦しい時期が続いた。やがて経験を経て、技術面や精神面が能力に近づくようになり迎えた今年、能力、フォーム(=コントロール)、集中力・精神力、この3つのバランスが完璧に仕上がり、今日のピッチング至った。

前回横浜戦の登板では10個の三振を奪うも内容は悪く偶然性の三振に過ぎなかった。しかし今日はすべて狙って捕った三振。心静かに投げているのが表情からも見られたが、それは計算通りに投げることができた何よりの証拠だろう。コントロールがバラつけば精神的にもばらつきがでる。精神面に乱れがでれば自ずとコントロールも乱れる。全てを制したからこその今年一番のピッチングとなった訳だ。

入団当初、ダイスケに「あまり早く完成してしまうと、その後やることがなくなってしまうから早く完成し過ぎるなよ」とよく言っていた。ピッチャーたるもの常に探究心を持ち続けないと、その力を持続することも難しくなってくる。だからこそ、入団8年目での完成はピッチャーとして脂ののりはじめる理想的な時期での完成になったと思う。

今後の課題はこのピッチングをいかにコンスタントに出せるかどうかだ。本人が今日のピッチングをどう評価しているか、今度会った時にでも話してみないと分からないが、今日のピッチングにさらに磨きをかけていく気持ちをもってもらいたい。今まで能力やスピードは人より上回っていたものの、コントロールに関しては劣っていた。それが今日はまさに一流品ともいえる出来だった。しかし、この先、常にその状態を保てるかといえば、そうではなく悪い時が訪れることもあるだろう。要はその度合いをどれだけ減らすか、ということなんだ。以前、抑えのピッチャーについて、ミスをするなとは言わない、そのミスをいかにひとつでも減らすか、ということが重要と書いたと思う。それと同じことだ。

ただ、今日のようなピッチングは今年1,2回あるかないかだろう。むしろ4回も5回もある方がよっぽど考えものだよ。そうそうできることではないのに容易くやってしまうってこよは力があるとか、成長したということではなく、単に今日のピッチングで満足してしまったってことに過ぎないからね。もっと上を目指すからこそ、いろいろな試練が立ちはだかる状況を強いられる。低いレベルで満足していては今はいいかも知れないけど、先々何もならないことを肝に銘じてもらいたいね。

まあ、いろいろ言ったけれど、最後に一言…『ダイスケおめでとう』。1年目、周りがスピードを求める中でオレが必死になってそれを抑えてきた。8年経った今、完成したお前にスピードを求めようとする人はいない。しかし、今年26歳。コントロールや精神面が能力に追いついた今だからこそ、また26歳という年齢だからこそ、あらためてスピードをお前には求めたい。その為には自ら練習を課していくしかない。他のものは登板し経験から身についていく。しかし、能力(パワー・スピード)は練習でしかつかない。完成した今こそ、次への準備を怠らないで欲しい。体の衰えは早く、何か問題がおきてから対応しようとしても中々できるものではない。だからこそ、26歳の今から40歳の自分の財産をつくっておかなくてはならない。もしオレがダイスケの側にいたら、そういった能力の話をしてやってただろうな。

それともうひとつ。これはオレの愚痴なんだけど、ダイスケを育てる楽しみがなくなってしまったなあ、ってね(苦笑)。入団して数年の間しか見ることができず、一番いい時期側で見れなかったのは残念だったなってあらためて思ったよ。昔、どん底におちたダイスケをもう一度育てあげる、っていうのが楽しみなんて言ってたこともあったけど、もうそういうことはないだろうからね。オレにとってエース松坂大輔の完成は嬉しい反面、ほんのちょっとだけ寂しさを感じる複雑なものかもしれないな。


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