| 7月11日(月)の試合を振り返って... 西武 対 ロッテ (インボイス) |
| TEAM | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | R |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ロッテ | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 3 | - | - | - | 6 |
| 西 武 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 3 | 2 | 0 | X | - | - | - | 7 |
| ■投手リレー | ロッテ:小林宏→小宮山→高木 西武:帆足→正津→森→大沼→星野 |
| ■勝ち投手 | 帆足 9勝5負0S |
| ■セーブ | 星野 1勝2負1S |
| ■負け投手 | 大沼3 勝5負0S |
| ■ホームラン | ロッテ:福捕4号 西武:カブレラ21号、和田18号 |
カブレラ最速200号、和田3打点。
| 7月11日(月) 東尾修の「ひとりごと」 |
いやあ、長らく更新から遠ざかって本当に申し訳ない。皆さんにわがままを許してもらったおかげて、アメリカではのんびり家族水入らずで過ごすことができたし、その後のオーストラリアでもゴルフ場が浸水してプレーできないハプニングに見舞われながらも、楽しく雑誌の読者の方々と過ごす事ができたよ。しばらくいない間に順位に変動があったり、タイガースが独走してたりと一番面白い時期を見逃してしまったみたいだね。
今日は久々にインボイスドームでの解説だったけど、試合がこの1カードしかないということで、珍しくラジオが全国放送されていたんだ。実況も趣向をこらせて応援実況と銘打って2人いたし、対戦相手が上位チームということもあって、しゃべりにも思わず力が入ってしまったよ。そんな試合の先制点がカブレラが3試合連続の場外ホームラン、しかも史上最速で200号達成ときたら、ますます気持ちが乗ってしまったよ。
カブレラが入った当時、マクレーンと二人でそこそこの働きをしてくれればと思っていたけれど、いざカブレラを見てみたら、守備にも打撃にも器用さがあるっていうか、適度なちゃらんぽらんさがあって、こいつはいいぞ!って思った記憶があるよ。特に守備面で簡単な例をあげると、普通、日本人選手がファーストでショートバウンドの送球を捕ろうとすると大きなミスを犯さないように、傷口を広げないようにと、体にあてて前に落とそうとする。確かに大きなミスにはつながらないかも知れないが、これでは確実にアウトにはならない。
ところがカブレラは一か八かすくいあげてアウトにしようとする。すくい上げ切れなかった時にはエラーがつくし、取り返しのつなかいミスになる怖さはあるけれど、それでもその積極的なプレーはチームにとって心強かったりもするからね。監督の立場からしたら、本心は“ケースバイケースで上手く使い分けてくれよ”なんだけど、あまりそこでとやかく言ってしまうとよさを消してしまい兼ねないからね。
キャンプの後半頃になると、打撃においても普通の外国人選手以上の力を見せてくれた。日本に来た外国人の右打者は大抵、(1)ボールが飛ぶ、(2)球場が狭い、(2)日本人ピッチャー特有の攻め方…等など、打撃において打ちやすい理由がいくつもあるからこそ、“簡単に打てる!”という意識をもって踏み込んでくるんだけど、カブレラの場合は、来た時から器用さがあって、本来外国人選手が持つ感覚もなく打ちに行ってたからね。その点、マクレーンは対照的に日本人同様の几帳面さがあった感じかな。
そういったこともあって、史上最速で200号達成するのは最初からわかってたんで、さほど驚きはない。むしろ今のオレは、驚異的な打者だからこそ、あえてカブレラに狙ってもらいたい記録がある。それはドーム球場すべての天井に打球を当てる、ということ。正式な記録には残らないけれど、本来設計した時点で多くの設計士が綿密な計算を経て、“この高さなら絶対当たらない!”とした上でドームを作っていることを考えると、ぜひ成し遂げてもらいたいね! 札幌ドームにヤフードーム、絶対に無理!と誰もが思うところで、もしかしたら…と思わせる期待感があるっていうか、ファンにとっては大きな楽しみだと思うんだ。そういったワクワク感をくれる打者はなかなかいないだけに、カブレラには1年でも長く日本でプレーしてもらいたいって心から思うよ。まあ、毎年少しずつ日本語の単語を覚えてる姿勢がチームに溶け込んでいる理由の1つと考えると、長くプレーするためにも日本語をもっと覚えてもらいたいっていうのも願いの1つかな。オレが監督の頃はまだ日本語をそれほど覚えていなかったこともあって、いっつも“あほ、あほ”って言われ続けていたからね(笑)
カブレラの打撃が上向いてきているのと同時に、ベン(和田)やフェルナンデスの状態も上がってきて西武の軸がだいぶしっかりしてきたね。何よりも大事なのがカブレラの後ろだから、そこがしっかりすれば西武の本来の力を出せるようになると思う。唯一の不安は、打線は上向きでも守護神が不在ということ。そういったこともあって、今いる位置(順位)にいるわけだからね。これだけ首位とゲーム差がある以上、今はとにかく3位狙いでしっかり戦っていくしかないだろうね。もし、ペナントの開幕が今のロッテや西武のチーム状態で始まっていたとしたら、おそらくロッテは昨年同様低い順位にいただろうし、西武は首位争いをしていただろう。そう思うと、巡り合わせも運のうちだとあらためて感じるよ。来週になればオールスター休みに入るけれど、これもどっちに転ぶか分からないからね。まあ、そこが野球の面白いところでもあるのかも知れないが…。
ピッチャーに関しては、守護神不在、さらに大沼がバタバタになった後で星野がよく頑張ったよ。大沼に関してはいいボール、悪いボールすべてに関して言えるけれど、ボールを操りきれてないね。“操る”っていう微妙なニュアンスは伝わりづらいんだけれど、ソフトバンク戦でダイスケ(松坂)の変化球が良かったときは操りきれてたって説明すると分かってもらえるかな。今日の先発の帆足に関しても、操る上手さを持ってるというか、そこが大沼との違いであり、一段階ステップアップした証拠といってもいいかもしれないね。
そうそう、余談なんだけど、今日ロッテのバレンタイン監督があわや試合終了後に退場なりそうになったんだよ。過去に試合終了後に退場になったのはオレだけだから、「おっ、オレと同じになるか?」なんて笑って見てたんだけどね。思わずヒーローインタビューよりも「退場!」って審判が言うのを聞きたかった、なんて言ったら不謹慎かな(苦笑)


