| 3月26日(土)の試合を振り返って... 西武 対 オリックス (インボイス) |
| TEAM | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | R |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| オリックス | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | - | - | - | 2 |
| 西 武 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 1X | - | - | - | 3 |
| ■投手リレー | オリックス:川越→山本省→吉川→歌藤 西武:松坂→豊田 |
| ■勝ち投手 | 豊田 1勝0負0S |
| ■セーブ | 豊田 1勝0負1S |
| ■負け投手 | 吉川 0勝1負0S |
| ■ホームラン | - |
松坂は8回1失点、自責点0、12奪三振と好投。9回に豊田が同点とされるが、佐藤がサヨナラ内野安打、3年ぶりの開幕勝利。
| 3月27日(日) 東尾修の「ひとりごと」 |
20日のオープン戦で投げた時に、勝つピッチングに徹していたダイスケ(松坂)を褒めたけれど、昨日(26日)はその時以上の出来だった。前回の登板が6,7分の力なら、昨日は開幕戦とあって7,8分と多少力んではいたけれど、全力投球は大事な場面だけにセーブすることができていたから申し分はないよ。どうしてもピッチャーというのは目一杯放りたくなるものだが、そこを抑えることをようやくダイスケも身につけたよだね。
終盤にはいって握力が落ちてはきたけれど、これはやむを得ない話だから心配はしていない。終盤に入ってからの握力低下は一見スタミナ不足と見られがちだが、公式戦の初登板ではよくあることなんだ。といのも、キャンプ中の練習でいくら放っていても紅白戦で投げれば張りが出る、さらに紅白戦でどれだけ投げていてもオープン戦で投げればまた張りが出る。といった具合に、練習と紅白戦、紅白戦とオープン戦、オープン戦と公式戦では状況がまったく異なるため、初めての登板ではどうしてもスタミナ不足に陥りやすい。ダイスケの場合も、あと2,3回程度公式戦の場で投げれば体が慣れてくるはずだから、昨日の試合のように終盤での握力低下なんてことはなくなると思うよ。
マウンド上のピッチングのメリハリがつけられるようになって、だいぶ一流ピッチャーらしくなってきた訳だけど、もうひとつ“一流らしくなったな”と感じたのは、ベンチ裏でのあいつの様子なんだ。ダッグアウトの様子を聞いたところによると、昨日のダイスケは他人をまったく寄せ付けないほど自分の世界を作りきっていたらしい。マウンドを降りてから再びマウンドに上がるまで同じ精神状態を保ち続けることが大事で、過去の一流ピッチャーといわれる人間は皆寡黙な人が多かった。ベンチ裏にきて冗談を言ったり、というピッチャーに超一流っていう人はいなかったと言ってもいいかもしれない。
ただし、ピッチャーだって人間なのだから、年に何度か気持ちがきれてしまうこともあるだろうし、気を紛らわせないとやり切れない時もあるだろうから、必ずしもチームメートと冗談を言い合ったりするのが悪いとは限らないけどね。誰に言われるでもなく、そういった自分の世界をしっかりと作って精神状態を保つ術を覚えたダイスケの姿は、まさにオレが監督時代にあいつに言い続けてきたことがようやく実ったように感じたよ。
昔のあいつならば野手のエラーや1失点だけで簡単に崩れていた。今のあいつにはそんな様子はこれっぽちも見られない。過去6年間の中で一番いいダイスケ。まさに完璧!と言い切れる内容だった。本人もおそらく8割程度は満足いってるはずだよ。残り2割の不満は勝ち星がつかなかったということ。どれだけいいピッチングをしても、勝ち星がつかないというのは気持ちの隅に残ってしまうのがピッチャーというものだからね。
そんな完璧なダイスケとは対照的に問題なのが、抑えのトヨ(豊田)だ。オープン戦の段階でも「ちょっとおかしいな」と感じてはいたけれど、まあベテランなんだし、公式戦に入れば本来の状態に戻ってくるだろうと思っていた。ところが、昨日の様子ではどれだけ力を入れて投げても力が出ない状態に陥ってる。原因が勤続疲労によるものなのか、何なのかはわからないけれど、早いうちに処置を施さないと取り返しのつかないことになってくる。なぜならば、トヨが出る試合は100%勝てる試合であり、勝たなくてはいけない試合だからだ。先発のダイスケがどんなによかろうと、抑えが欠けたときのチームへのダメージを補うことは不可能に近い。
本人も自分の状態が悪いという自覚があるようで、昨日の試合では状態がよかった時のフォークとストレートで三振をとる攻めのピッチングではなく、スライダーに頼るかわすピッチングになっていた。あれはまさに本人に気持ちのあらわれ。かわすトヨの姿なんて初めてみたからね。とりあえずフォームが悪いとか、技術がどうのという問題ではないから治すのに相当大変だと思う。トヨ自身を復活させるのか、それとも他の選手で穴を埋めるべく対処するのか、どっちにせよ早い対応が望まれるのは間違いないよ。


