| 2月8日(火) 東尾修の「ひとりごと」 |
毎年言ってるけど、やっぱりこの時期のキャンプは沖縄に限るね! 選手にとってもそうだけど、取材する側にとっても最高の場所だよ。
昨日は親友のコウジさん(山本浩二広島監督)のところに行って来たよ。オレが監督でコウジさんが評論家だった頃、コウジさんが球場に着くと二人で監督室にこもって延々と話をしてたんだけど、逆の立ち場になってもそれは変わらず、昨日もコーヒー片手に監督室に二人してこもっていたよ。「大事なキャンプの時期に監督を部屋に引き連れてしまっては大変なのでは?」なんてことを昔聞かれたことがあったけど、キャンプ中の監督には結構空白の1,2時間があったりするもんなんだよ。決して邪魔してる訳ではなく、“相手をしてあげてる”っていうのが正しい解釈だからね、誤解しないように(笑)
そんな広島のキャンプだけど、毎年感じることは同じみたいで、昨年同様、今いる選手が全員そろっていれば優勝の可能性もあるっていう状況だね。広島の場合、キャンプの時期には選手が豊富にいるけれど、シーズンに入り一度故障者が出ると、他の選手を無理して使い、さらに傷口が広まって力尽きる、というパターンに陥るのがほとんどなんだ。
ピッチャーに関しては、黒田や長谷川といったあたりに復調の兆しが見えるんで期待したいところだね。まあ、前年度活躍できなかった選手っていうのは、得てして翌年頑張るものだから、それなりの結果を出してくれるんじゃないかな。その他では、大竹、小山田の両投手が先発に回ることも決まっているようだから、それに伴い手薄となる中継ぎ陣以降の補強が重要になってくる。とはいえ、状態のいいピッチャーを故障させることなく1年間もたせることがひとまず第一関門なんだけどね。
野手陣は、ベテラン勢に故障もちが多く不安な部分が多いだけに、若手の成長に期待したいところだ。今の広島はチャンスがいっぱいあり、育ちやすい環境にあるのだから、若い選手は積極的に取り組んでいってもらいたいね。赤ゴジラこと嶋のようにいきなり出てくる可能性もあるが、こればかりはやってみないと分からないからね。
皆にチーム作りを分かりやすく一言で説明するならば、それは“料理”かな。チームを冷蔵庫とすると、中に入ってる選手が素材、それを調理するのが監督といった具合だ。監督に就任した当当初、ファンから「どんなチームにしたいですか?」とか、「どんな野球を目指していますか?」と聞かれたけれど、監督が「これを作ろう!」と思っても、冷蔵庫の中身が空っぽだったら何も作れないよね!? 素材が揃ったら揃ったで、今度は腐らせないように上手く使わなくてはならないし、そのバランスが大切なんだ。今の広島は材料が豊富とまでは行かず、調理にとまどっている段階って感じかな。
広島と似た状況なのが、今日行ってきた横浜。文化放送(大阪・朝日放送)で放送しているオレと理子の番組の収録も兼ねて行ってきたんだけど、オレが監督に就任した時と同じくらいの年齢で監督に就任した牛島が、まだまだ遠慮気味だったのが目にとまった。オレの時は前年度まで優勝していたチームを引き継いだだけに、チームに手を加える訳にもいかず戸惑ったけれど、横浜の場合はそうじゃないのだから、ここは思い切っていろいろ言っていくべきだ。素材に欠けつつある時期だからこそ、選手の補強を強くアピールして、将来のチームのために積極的に動いてもらいたいね。
こうなってくると、単に今のチーム状況がどうということではなく、球団の編成やスカウトの力量の話になってくる訳だけど、そういう意味では西武は本当に優秀なんだな、ってあらためて思うよ。ファームの試合の時に、他の球団の編成の人が西武を見てはその素材の多さを羨ましく思うっていうんだから相当なものだよ。それだけに、今季楽天に移った楠木(前西武ライオンズスカウト)の穴は大きい気がする。今はまだ目に見えないかも知れないけれど、数年後にそれを実感する時が必ず来る気がするよ。


