| 10月19日(火)の試合を振り返って... 日本シリーズ第3戦 西武 対 中日 (西武ドーム) |
| TEAM | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | R |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 中 日 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 1 | 2 | 0 | - | - | - | 8 |
| 西 武 | 0 | 0 | 0 | 3 | 1 | 0 | 6 | 0 | X | - | - | - | 5 |
| ■投手リレー | ドミンゴ→岡本→遠藤→朝倉 帆足→長田→星野→大沼→小野寺→豊田 |
| ■勝ち投手 | 大沼1勝0負0S |
| ■セーブ | 豊田0勝0負2S |
| ■負け投手 | 岡本0勝1負0S |
| ■ホームラン | 谷繁1号、リナレス1号 カブレラ1号、2号、中島1号 |
4回にフェルナンデスの適時打、カブレラの2ラン。5回に中島の一発で追加点。7回にはカブレラの満塁弾が飛び出す
| 10月20日(水) 東尾修の「ひとりごと」 |
いやぁ、凄い台風だったね! 3戦、4戦と2日続けて解説に入っているんで、今回は所沢に泊まるようにしていたんだけど、まさか1日延期されるとは思ってもいなくて、今日1日時間をもてあましてしまったよ。昨日試合が終わって一段落着いたのが夜中を過ぎていたっていうのと、あまりの劇的な試合展開についつい興奮してしまって更新が遅れてしまったよ。
中日先発のドミンゴだけど、横浜時代に何度か投げているところを見たが、あれほど低めのコントロールがいいピッチャーだとは思わなかった。初めて投げるピッチャーにとって西武ドームのマウンドは投げやすいといわれているけれど、それにしてもストレートも変化球も低めのコントロールが素晴らしかったからね。一方の帆足の方もランナーを出しながらもしっかり抑えていたんで、両監督共に、序盤3回まで先発投手が順調な立ち上がりを見せたことにまずホッとしたんじゃないかな。
4回に入り、ランナーを出しつつ抑えていた帆足とは対照的に、完璧なピッチングをしていたドミンゴの方が崩れてしまった訳だが、佐藤友に上手くセンターへはじき返され、さらに日本シリーズの独特の空気に力んだ将吾がバントを決めることはできなかったものの、ランナーをしっかり送り、フェルナンデスを迎えた場面、ダイエーとのプレーオフの新垣とまったく同じで、それまでが完璧すぎたことで、セットに入ったとたん、それまでとは明らかに違い、真っ直ぐ、チェンジアップが浮き始め、打つチャンスが出始めた。こうなると、“勢いに押されてファール”になるのではなく、”狙ってカットしファール”することができるようになり、フェルナンデスがあれだけ粘れたのもそれが理由だ。
ドミンゴの場合、(1)ランナーが1塁にいるとランナーばかりを気にして球が浮き始める、(2)クイックが上手くない、この2つのことでいらつくタイプのピッチャーのようで、それを上手く利用できた気がするよ。カブレラを迎えたところでは、1球ブラッシュボールがあったのだが、同じ外国人選手ということもあり、さほど気持ちを乱すこともなく、普通にすぐバッターボックスに入り直したことが功を奏したね。力むことなく、またムキになることもなく、むかえたことでいい結果になったよ。
問題は、5回に中島のダメ押しともいえるホームランで追加点をもらった後の6回だ。一死満塁で高橋光のところでは、落合監督が高橋をDHにおいた一番の理由“つなぎ”の役割をきっちり果たし、選球眼のよさもあって相手はいい四球を選んだ、ここまでは仕方ないとしよう。しかし、その後の谷繁に対して1−3のカウントからインサイド真っ直ぐを要求するバカがどこにいる!とまずは言いたいね。ピッチャー、キャッチャーのやり取りで首を振ったりしていたけれど、首をふるピッチャーもピッチャーだが、それを受け入れるキャッチャーもキャッチャーだよ。
もとを正せば、あの場面の初球の入り方にも問題はあったんだけど、ピッチャーとキャッチャーの呼吸がまったくあっていなかった。長田と野田の若さと経験の浅さだろうな。経験もあるベテランの谷繁は、横浜の時、日本シリーズで対戦していることもあって、一死1,2塁の場面で1球ストレートを挟むもすべて外のスライダーでベン(和田)をピッチャーゴロに打ち取った。さすがにこういった短期決戦の怖さをしっているな、と感心したよ。ただ、そんな谷繁でも日本シリーズの空気に押され、ピッチャー心理を考える余裕が少し欠けた場面があった。それがあの劇的なカブレラの満塁ホームランだ。
以前にもPRESSで言ったことがあるけれど、とんなに状態のいいピッチャーでも同じ球種を同じところに2球続けて投げれても、3球は不可能なのだ。ましてやそれが球速の早いストレートだと、投げれば投げるほど肩に力が入り、必要以上に力んでしまう。2球ストレートでいい球がいいコースを突いたならば、そこで1球肩の力を抜かせてやることが大事。今回プレーオフから通して、ピッチャー心理とキャッチャー心理のバランス、バッテリーの呼吸が試合の明暗を分ける重要な鍵を握っている気がするよ。
最後に投げたトヨ(豊田)は、1点差の場面では怖さがあっても、2点差あれば見下ろして投げることができるようになったようだね。というのも、過去に井口(ダイエー)がカーブを打って同点ホームランを放ち、それから続けてサヨナラ負けを喫した経験を引きずって、状態が少しでも悪かったり、不安があるとカーブを放れなかったことがあったんだ。しかし、昨日の試合では、初球から自信をもってカーブを投げていたからね。気持ちの中で立浪さえおさえれば、つなぎとしておかれている高橋は怖くない、という気持ちで見下ろして投げれていたんだろうな。
今回の日本シリーズ、バッテリーの呼吸ともうひとつ忘れちゃいけない鍵は、ピッチャー交代に対する監督の決断力、だね。昨日の試合でも次のピッチャーが出てきていたにも関わらず、監督判断で交代をやめて、落合の“オレ流”が裏目に出てしまっただけに今後の試合でも幾度となく躊躇することになるだろうね。
プレーオフから通して、本当に面白い試合ばかり見せてくれるんで、明日の試合もどんな展開になるか楽しみだね。昨日(19日)の試合、スタンドに空席が目立っていたのが悲しかっただけに、ぜひ球場に足を運んで、あの興奮を生で味わってもらいたいって思う。


