| 10月11日(月)の試合を振り返って... ダイエー 対 西武 (福岡ドーム) |
| TEAM | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | R |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 西 武 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 1 | - | - | 4 |
| ダイエー | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | - | - | 3 |
| ■投手リレー | 松坂→長田→星野→小野寺→豊田→石井貴 新垣→三瀬 |
| ■勝ち投手 | 豊田1勝0負1S |
| ■セーブ | 石井貴0勝1負1S |
| ■負け投手 | 三瀬0勝1負1S |
| ■ホームラン | 城島3号、井口3号 |
6回に石井義が2点適時打。9回裏に同点とされるが、10回、一死3塁から代打犬伏の犠牲フライで勝ち越し!石井貴が締め2年ぶりのリーグ優勝。
| 10月11日(月) 東尾修の「ひとりごと」 |
最後の最後ですごい試合を見せてもらったよ。今回何よりも嬉しかったのはダイスケ(松坂)の成長かな。とはいっても、ほんの“少し”の成長だけどね。
今日の試合は、中3日のダイスケと中4日の新垣、両チームのエース同士の戦い。間違いなく今年のダイエー・エースといえる新垣はさておき、球界のエースとしてここまできているダイスケがどの程度やるかが見所だと思っていた。序盤ランナーを出しながらも乱れることなく抑え、中盤以降安定を見せるピッチング。今まで大事な試合で何度となくミスを犯してきたダイスケとは明らかに違う姿を見せてくれた。
まあ、唯一悔やまれるとするのなら城島のホームランだ。ただ、これはダイスケにミスはない。二死ランナーなしのあの場面、城島が狙うのはホームラン。そこで野田の要求はその前の投球と同じインサイドの高め。キャッチャー心理では正しい要求だけれども、リードたるもの“キャッチャー心理”だけでは成り立たない。成長過程にいる野田にまだそこまで求めてはいけないのかも知れないけれど、いいキャッチャーとは、いかにピッチャーに気持ちよく投げさせられるか、“ピッチャー心理”が読めるかが大事になってくる。
今回の城島とダイスケのケースからいうと、昨年までそれ程接点のなかった二人がオリンピックを通してバッテリーを組み、密にミーティングをしてきた背景があり、さらに以前の対決で下半身ではなく上半身へ死球を与えてることがある訳だ。となると、オレみたいなよっぽどの死球王じゃなければ、2−1のカウントからインコースを2球続けて攻めていくことはピッチャー心理からいってツライ要求になってくる。それだけに、その状況で要求に応えようとしたダイスケは、気持ちのどこかで“そこにボールさえ放っておけばいい”という感覚で放らざるを得なかった。
周りの要望とピッチャー心理が食い違うことは多々ある。プロの試合でよく見る満塁策。今回ダイエーが満塁策をとった時も、守備コーチや守っている野手からしたら、プレーしやすい最高の状況だったかも知れないが、投げるピッチャーからすれば1球目がボールになると、2球目は投げれなくなる心境に追い込まれる。前日、帆足がつぶれてしまったのもまったく同じことが原因だ。技術を持ち合わせているピッチャーは、ランナーがつまった状況でも動じることなく対処できるが、その日の調子のよさに左右されるタイプのピッチャーにとってピンチの状況は重くのしかかるもの。新垣がランナーを背負った途端、それまでの完璧なピッチングが嘘のように逆球を連投し、力み、ボールが変わってしまったのを見てもわかるだろう。
ダイスケが成長したな!と感じたのは、そんな状況で城島にホームランを打たれた後のピッチング、6回まではまったく気を抜かない全力投球にあった。久々に圧倒されるピッチングを見せてもらった気がしたからね。交代に関しては、全力投球したことでそうせざるを得なかったのか、何か別の理由があったのか、ベンチにいる人間しか分からないけれど、今回のプレーオフの鍵となる“エースの交代のタイミング”としてはどちらに転んでもおかしくない決断だっただけに、ツトム(伊東監督)の勇気ある判断がいい方向へと転じてよかったよ。とはいえ、チームの状況からしたらあと1イニング投げさせていた方が相当楽だったとは思うけどね。
一方のダイエーだけど、終わってから王さんと話す機会があってね。去年のエースの斉藤を引っ張りすぎたことも含め、エースのプライドを信頼し過ぎたことを反省点の一つとしてあげていたよ。今日の試合に関しては、とにかく走塁ミスを悔やんでいた。試合が終わってユニフォームを着たままミーティングを行うほど、あまりにもレベルの低いミスに怒りを通り越していたらしい。
日本シリーズの7戦とは違う、5戦という中での戦い。初めての試みでどのチームも共に手探り状態だっただけに、結果的には第1ステージも第2ステージも最終戦までもつれ込む面白い展開となった。シーズンを1位通過しながら優勝できなかったダイエーの選手はもちろん、ファンも悔しい思いをしていることとは思う。しかし、プレーオフの制度を導入した以上、こういった展開があるということにも慣れていかなくては仕方がない気がする。西武だって、第1ステージを苦しみながら勝ち抜き、さらに第2ステージも戦い抜いた上での優勝だからね。決して楽して勝ったわけではないというのを分かってもらった上で、日本シリーズでは同じパ・リーグということでぜひ応援してもらえたらと思うよ。


