| 11月2日(日) 東尾修の「ひとりごと」 |
10月っていうと、野球シーズンも終盤に入り、スケジュール的に余裕が出てきそうな月って思われがちだけど、実際はシーズン中にできなかった仕事の依頼がまとめて入る月でね。落ち着いてパソコンに向かうことができず、気がついたら10月の間は一度も更新することができなくて、ファンの皆さんには申し訳ないことをしたなって思っているんだ。ただ、パソコンに向かう時間が少なかったぶんだけ地方のイベントなんかで、ファンと直接交流を持つ機会があったのは良かったとは思っているけどね。
それにしてもこの一週間は本当に忙しかったよ。あちこちを転々とした中で、今週は大阪と福岡に主に滞在していたのだけど、外に食事に出ると、他のお客さんが日本シリーズの話題をしているのをよく耳にしたよ。なかでも大阪の焼肉屋で、隣の席にいた若い男性が「日本一になれるかどうか、すべては監督の采配にかかってるんだよ!!」と言った言葉には、日本一になれなかったオレとしては耳の痛い言葉だったな。
日本シリーズが始まる前のオレの予想は4勝2敗でダイエーだった。勝つだろうという思いと、パ・リーグ出身者として勝って欲しいっていう願望っていうのかな。去年のジャイアンツも今年のタイガースも、自分のチームで一から育てた選手の活躍で勝ったというよりは、主力選手を他のチームから補強して勝った。
一方のダイエーは、フロントの努力で得た選手を長期間かけて王監督が育ててきた選手が中心となってリーグ制覇した。生え抜きの選手が活躍し、さらにはそれを地域ぐるみで応援、今年も300万人を越える観客動員数を達成したダイエー。そういうチームにこそ勝ってもらいたい、そう思うのは自然なことだと思うよ。パ・リーグの場合、一生懸命選手を一から育てても、一流選手になったとたんチームを離れられてしまうことが比較的多い。「球団愛」っていうのかな、そういうのが感じられなくなってしまっているのは時代の流れゆえ、仕方ないのかも知れないが、本当に寂しいかぎりだよ。
シーズン中にどれだけ活躍しても、短気決戦の日本シリーズでその力を出し切れるかといったら、その保証はどこにもない。それだけに、一言で“監督の采配にかかっている”と言われてしまうのはなんとも厳しい話だ。ただ今年でいうと、「伊良部を第6戦で先発させていなければ…」といった部分では監督の采配に疑問を持つ気持ちも分からないではない。確かに、オレ自身もそれについては不思議に感じた。星野監督には充分過ぎるほどの日本シリーズの経験が過去にある。「シーズン中に働いてくれたから」、そうはいってもそんな親分肌の情だけで投げさせたとは考えづらい。もしかしたら、表には出ていないが、他の投手が投げれない状態にあったんじゃないか?と内心オレは思っている。そのうち、機会があったら、じっくり仙さんに聞いてみることにするよ。
本拠地での開催が多かったダイエーが結果的には日本一になった訳だが、もし逆だったら阪神が優勝していたかも知れない。久々に7戦までもつれ込むほど競った戦いは、久しぶりに「いい試合だった!」といえる野球を見せてもらった気がしたよ。もし阪神の相手が西武だったら…?今年の西武をじっくり振り返って、一度そんな話も書いてみたいところだね。


